合同会社JRE宮城加美が建設中のJRE宮城加美町ウィンドファームに関し、加美町は町有地を貸し付けるため、令和2年3月27日に「条件付地上権設定契約書」「条件付地役権設定契約」を結びました。
1. 地上権設定契約は本当に町にとって不利益なの?
この契約は、石巻市などの他の自治体や、国また東北大学と事業者との契約と比べても、加美町に不利益な内容になっているといえます。
▶詳しくは「風力発電について専門家と考える会」(2022年11月12日加美町にて開催)
→ https://www.youtube.com/watch?v=riv6qCnynCE
●土地の修繕義務について(第6条2項)
地上権の一般原則では地上権設定者(加美町)は、修繕義務を負担しないはず。が、加美町の契約では、たとえば、豪雨・地震・地滑りなどの自然災害で、復旧・修復しなければならない場合、町の責任と費用で土地の修復を行うことになっています。
●責任財産(債権者「加美町」から見て、債務者「合同会社宮城加美」が所有する、強制執行の対象となる目的物である財産)限定条項について(第12条2項3項5項6項)
たとえば、自然災害などで風車が故障し稼働できなくなれば、売電収入がなくなり、事業自体が債務超過になる可能性が出てきます。JRE株式会社本体とは切り離され、そもそも資本金が200万円しかない合同会社宮城加美に対し、責任財産の限定や債権保全のための重要な権利を放棄する契約は、他の自治体と事業者との契約には見られない、加美町に非常に不利なものです。
なお、JRE株式会社やその株主であるENEOSは、合同会社の債務に法的責任は負いません。
▶「長周新聞 2021年1月15日号」を見れば、2021年当時、加美町が結んだ契約と同じような内容の契約が既に全国的に問題となっていたことがわかります!
→ https://www.chosyu-journal.jp/shakai/19824
2. 誰が言っていることを信じたらいいの?
加美町長は一貫して、「町に不利益な契約ではない」と主張し、また、契約が加美町に不利益であることを指摘した弁護士を批判しています。
契約内容が加美町に不利益な点は、上記「風力発電について専門家と考える会」に参加の日本環境法律家連盟会員の複数弁護士からも指摘されています。
▶加美町と室谷悠子弁護士とのやり取り
加美町と室谷弁護士のやりとり
3. 結局、どうしたら?
今後客観的な事実は、議会や第三者機関によって検証されるべきと考えます。
ここまで事業者に譲歩した契約を結んで、将来的に町の財政に悪影響を及ぼさないのか、
冷静で賢明な判断がされることを望みます。