石川和男
どういうふうにしていけばいいんでしょうね。
つまり、どういう再生エネルギーがこの環境と調和してうまくいくかっていうと。
竹内純子(NPO法人国際環境経済研究所理事)
まずは、先ほど言った太陽光発電の死角があるとすれば、やっぱり地域からもう迷惑施設というふうに認識されてしまっているこの現状。
大浜平太郎(司会)
えー、今ももう実際そういう現状になってしまっているということですか?
竹内
そうですね。
10年前にこういう地方を回ってですね、エネルギー政策の講演とかをしているときには、もう「原子力は悪、再生可能エネルギーはヒーロー」というようなかたちで歓迎するムードがあったんですね。
それで、地産地消らしい、雇用も生んでくれるらしいと、非常に期待があったんですが、10年経ってみますと、やっぱりこの真面目にやっている事業者さんが少なかったので、やはりこの地域からとってみると、期待していた雇用とかは工事のパネルを並べるときにはあったかもしれないけども、それ以外は何もないよねっていうことになるとですね、何だったの?っていう反感がすごくあります。
石川
どのぐらいの面積が太陽光で必要なのかっていうサンプルを、用意してもらったのでご覧ください。
左側は、これは原子力発電所でよく使う単位で100万キロワット級の原子力発電所。
大体そうですね、数え方にもよりますけれども、数十万世帯分の電気はここで賄えるぐらいのイメージだと思ってください。で、これに比肩するぐらいの電気を作ろうと思ったら、どのぐらい太陽光パネル引き込めるかというと、山手線一周。このぐらいの面積が必要なんです。
大浜
日本は平野が少ないですからね。
使う場所の近くに設置することが重要
石川
でもこれから、最初にあったように2030年目標で36〜38パーセントまで増やすんだ。その向こうには2050年カーボンニュートラルと言って、これは岸田総理の前の菅総理から引き継いでいる2050年に実質二酸化炭素を出すのやめようじゃないか。そのためには再生エネルギーのゴールがあるんですけれども、ものすごい道険しいですよね。
竹内
そうですね非常に野心的な目標で(笑)
先ほどね、野心的な目標って言ったときにね。経済産業省そんないい加減なこと言ってんのかって思われた方もいるかもしれませんけれども、カーボンニュートラルっていう目標自体ね。国連のパリ協定の中で「とても野心的だ」ってみんな各国とも言っていることなので、野心的っていう言葉を使うのがいい加減というわけではないというのはちょっと言わせていただいた上でですね、確かに非常に厳しいところであります。
ただ、やっぱり地面に置くタイプの、要は土地に森を切り開いたりして置くタイプの太陽光発電っていうのはいろんなことでやっぱり考えなきゃいけないんですが、建物の屋根の上っていうのはもっと活用していくっていうような形で。
今も住宅の太陽光を住宅上の太陽光、私の家にも付いてるんですけれども、もうだいぶ下火になってきちゃったんです。当初は買い取りの価格も高いしっていうことで非常にムーブメントになったんですけれども、今、相当減ってきてしまっている。これをもう一回きちんと、導入初期のコストをサポートするなどによって導入を促進するとかですね。
あとは工場とか、大きな商業施設の駐車場とかのカーポートみたいなところの、要は使う場所にとても近い場所に太陽光発電を設置するっていうことを丁寧に進めるっていうような、できることを足元からやっていこうっていうようなことをちゃんとやる必要があると思います。
東京都の約3倍の山林を大規模破壊
山口雅之(全国再エネ問題連絡会共同代表)
さきほど100万キロワットの発電をするにあたって山の手線内相当の面積が必要だというお話でしたよね。
これは最近、エネ庁の方で確認させていただいたんですけれども、現在、日本の太陽光発電の総面積っていうのが東京都の面積の約1.5倍程度で、それが2030年には約3倍強の面積になります。
現状は平地面積、世界の中で一番突出して利用はしているんですけれども、しかし、山林を大規模破壊してメガソーラーを全国各地で造っているという現状ですね。
大浜
これ、ちょっとご覧いただきたいのですけれども、平地面積あたりの太陽光発電の設置の割合を見てみると、日本はもうドイツの倍以上の平地を使ってってことなんですよね。
山口
皆様方はぜひ想像していただきたいのは、日本の豊かなこの山林が東京都の面積の3倍の広さが失われるということですね。
そしたら、山の恵みというのは田畑を潤して海産物を育んでいくという自然のサイクルがある。しかし、山がガラスの板で覆われるということは、ある意味、砂漠化することなんですね。そしたら川も農地も海産物も大打撃を受けることになる。
大浜
環境のためにと思って始めたのが、環境破壊が進んでいるっていう。
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