石川和男の危機のカナリア(1)「太陽光頼み 死角だらけ」

全国再エネ問題連絡会の山口共同代表が、BSテレ東の情報番組「石川和男の危機のカナリア」に出演しました。

大浜平太郎(司会)
さっそく本日のテーマなんですけれども、こちらになります。
「再生可能エネルギー、バブル崩壊!?」ということなんですよね。

石川和男
これ、バブルが崩壊したということは、バブルになっていたということなんですよ。
3・11の福島第一原子力発電所の事故以降、脱原発っていうそういう空気になったじゃないですか。
その反射効果で、まず再エネを入れようとなって、さらに最近では脱炭素化石燃料。これも何かね、抑えなきゃいけないんじゃないか。この二つの波で再エネが進んできたんだけれども大浜さんどうもやっぱりね、そんないいことづくめじゃないなんと。

大浜
なんとなく、それに気づき始めたんですね。でもまだ一応クエスチョンついてますから。
今日も議論していきたいと思います。
早速、ゲストの皆さんご紹介します。

NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員で東北大学特任教授の竹内純子さんです。

竹内純子
よろしくおねがいします。

大浜
そして、内閣府の再生可能エネルギーに関する規制等の総点検タスクフォースに参加し、自然環境や住民生活への影響に詳しい全国再エネ問題連絡会共同代表の山口雅之さんです。

山口雅之
よろしくお願いいたします。

大浜
さて、議論に入る前にまずはこちらをご覧いただきたいんですけれども。
こちらは資源エネルギー庁が今年1月に発表した2030年度の電源構成なんですが、ちょうど真ん中ですね、このようになっています。
これを見てみると、やっぱり再生エネルギーの割合がぐんと増えていて、いわゆる原発はもう抜いてしまいますよと。
で、その再生エネルギーの内訳を見てみると、やっぱり太陽光発電が14〜16パーセント、圧倒的に多いですよと。やっぱりこの太陽光を語らないと再生エネルギーは語れないよって、状況になってるわけですよね。

石川
まさにその再生エネルギーというのは5つありましてね。
太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力と。
その中で太陽光がものすごく増えてきたんですよね。
3・11の震災で原子力がああいうことになった。それで、僕が思うに、やっぱり脱原発ということの反射効果としてまず入った。で、これがグゥーとバブル的に増えて、少し沈静化したかなと思ったら、今度はカーボンニュートラルという風に火力も抑えようってなって。それで、また再エネの期待感が出てきている。
この今までの流れとか政府目標を竹内さんは、まず率直にどういう風にご覧になってますかね?

竹内
そうですね、やっぱりこうエネルギー政策って、こう決めてから効果が出るまで非常に長い時間がかかる。ここはもう多分、一般の方とこういう政策に関わった方、事業に関わっている方との認識の違いの一番大きなところだと思うんですけれども。ものすごく時間がかかるので政府が定期的に目標を見直すわけですけれども10年先をある程度見通すっていう形になるわけですが、10年って長いようでいて、エネルギーのインフラを入れ替えるというような形で考えると、全く十分な時間ではないわけなんですね。
なので、結構ドラスティックな「野心的な」と表現されますけれども、多分、石川さんが昔おられた霞ヶ関では「野心的」という言葉は「かなり厳しいです」っていう形で表している言葉だろう何ていうふうには推測します。

石川
私から言わせると「野心的」っていうのは、そんな表現をなかなか使わないんですよ。
政府みたいな真面目な文章を書くじゃないですか。それてあえて野心ということを書くということは竹内さん、さっき上品にちょっと難しいみたいなことをおっしゃいましたけれども、私から言わせれば「これはできねえ」というそういう数字なんですよ。
それで山口さん、今までいろいろ太陽光とか、そういう再生エネルギーを全国でご覧になってきたと思うんです。どういうところがこれ、難しさがあると思いますか。

山口
今、この表を見せていただきまして、違和感を感じているんですね。これは「再生可能エネルギー = 太陽光」という、固定観念が社会に蔓延してしまっているというのが一つ。それと再生エネルギーというのは、その表にもあるとおり、水力とか、バイオマス、地熱など様々な再生エネルギーがある。
これのバランスが私は大事だと思うんですね。
太陽光、風力につきましては、天候に左右される。また時間帯によっても需給ギャップが激しい電源ですから、これは不安定電源であるということは皆さまが承知しておられると思うんですね。
その不安定電源にこれだけ軸足を置く政策自体に、私は危うさを感じております。

大浜
まず議論に先立って、石川さん、今週のカナリアポイントを。

石川
はい、太陽光頼みなんですけれども結構環境問題とかそういった点で実はいいとこづくめじゃないそこで死角だらけで私はこれを出したいんですよね。

大浜
山口さん、だから不安定だよってことを先ほど挙げていらっしゃいましたけれども、他で言うとどういう死角があるって捉えていらっしゃるんですか?

山口
死角という表現が適切かどうか分かりませんけれども、太陽光発電はFIT制度が2012年の8月から始まったとは思うんですけれども、当初のイメージとしては自宅の屋根に置くとか、平地に設置するっていうイメージだったと思うんですね。
それが今、日本の森林を大規模に伐採造成して、メガソーラーという形で開発がどんどん進んでいると。
その開発によってどのようなデメリットがあるかというと、やはり土砂災害の危険性。これが深刻なレベルに達していると。

太陽光発電の当初のイメージ
現実の太陽光発電

→ 石川和男の危機のカナリア(1)「太陽光頼み 死角だらけ」
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