公開質問状への各政党からの回答

全国再エネ問題連絡会は、各政党に訪問し全国の問題を訴えると共に公開質問状を手渡しました。
現在までに回答のあったものを公開します。

なお、自由民主党に関しては総裁選中であったため今後訪問する予定です。
国民民主党は私たちの訪問を拒否しました。


日本維新の会

メガソーラーや風力発電設置のために、森林破壊などの自然破壊を進行させることは、本末転倒であると考える。平成27年台風18号による鬼怒川氾濫をはじめとした課題を認識しているところである。

エネルギー政策は、省庁横断的な組織で議論を進め、縦割り行政を脱して、一貫性と戦略性がある政策にすべきと考えている。風力発電、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーを利用して、環境には最大限配慮した上で地方創生への寄与を重視しながら、環境汚染の少ないクリーンエネルギーへの転換を進めていく。

日本維新の会

社会民主党

再生可能エネルギー政策を推進する上で、メガソーラーや風力発電所の建設にともなう環境への影響問題をどう受け止めているか、どのような方法で解決していくのか等のご質問をいただきました。

ご送付いただいた資料で取り上げられていますように、全国各地の大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)の建設地において崩落事故や土砂災害が起きていることは大きな問題です。
再生可能エネルギーの導入促進を目的に、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取ることを義務付ける制度(FIT)が2012年に始まりました。20年という長期間にわたり、安定した収益を見込めること、他の電源に比べて設置基準の規制が少なく建設費用も安価ため、新規参入の事業者によってメガソーラー建設が急増しています。

しかし自然環境に与える影響は甚大で、景観破壊、森林伐採、森林伐採による土砂災害の発生、土地利用の変化による動植物の生息地破壊、さらには使えなくなった大量のソラーパネルの処分等々問題が山積しています。最も大きな問題は、環境影響評価法(環境アセスメント法)の対象となっていない等、メガソーラー建設を規制する法制度が不整備であることです。
環境アセスメントの義務がないため、地域市民が建設計画を事前には知らされず、説明会がもたれないことも大問題です。地方自治体では、農地規制や景観保全関連の条例を整備し、無計画なメガソーラー建設を規制しようと対応を始めていますが限界があります。

太陽光発電の将来的な発電量の可能性は大きく、大きなビルや工場、一般家屋の屋上などの設置については推進をしていくべきですが、CO2削減に効果のある森林を伐採し、自然環境の破壊を引き起こす可能性のあるメガソーラーや風力発電所の建設については、これまでの検証と見直しが急務であると考えます。
FIT法は見直しの時期にきています。それに加えて環境アセスメントを強化するなど、再生可能エネルギーと自然環境の保全の両立に向けて、法制度の強化整備に取り組んでいきたいと考えております。

社会民主党

れいわ新選組

れいわ新選組は、地球温暖化対策と生物多様性保全はどちらも疎かにできない車の両輪のようなものと考えています。生物多様性の危機である地球温暖化への対策が同じく生物多様性の危機である開発行為になっては本末転倒です。

この観点で、森林を大規模に伐採して建設されるメガソーラーや大規模風力発電開発、生態系への影響が未解明である大規模養生風力発電は一旦立ち止まって、その自然環境への影響をしっかりと見定めた上での推進とならなければなりません。
その意味で、計画・立案段階での環境影響評価である戦略アセス制度の構築など法制度の改良、国による自然環境への影響を組み込んだ土地利用計画が進めることのできる基礎となる環境情報地図の作成、避けるべき場所の地図の公開など、制度面の改良も必要です。

同時に、地域の合意形成を必須とした制度や、持続可能なネルギーで地域経済が営めるよう域外企業の出資に対する規制なども検討すべきです。基本は、地産地消型のエネルギー供給システムが重要であり、送電線網の公有化も含めた抜本的な対策が不可欠であると考えています。
れいわ新選組ではこうした基本的な考えのもと、グリーンニューディール政策を公約として掲げています。
富の分配とグリーン産業の推進、さまざまな施策を積極財政のもと進めることで、原発ゼロ、地産地消型の自然エネルギー100%を2050年までに実現することを目指します。

令和新選組

日本共産党

(1)今日、気候危機とよぶべき非常事態が起こっているもとで、二酸化炭素(CO2)削減への思い切った緊急行動が求められています。その上でも、石炭火力・原発依存から、省エネルギーとともに再生可能エネルギーへと大きく転換することは、急務の課題です。
日本共産党は、今年9月1日、「気候危機を打開する2030戦略」(添付)を発表しました。そのなかで、再生可能エネルギー導入を本格的にすすめるためにも、その最大の障害となっている乱開発をなくすための規制強化を、とくに重視しています。
メガソーラーや大型風力発電のための乱開発が、森林破壊や土砂崩れ、住環境の悪化や健康被害の危険を広げています。目先の利益追求での乱開発・環境破壊を放置するなら、再生可能エネルギーへの大胆な転換を阻害し、気候危機も打開できなくなってしまいます。

(2)みなさんが指摘されている、FIT法の売電権の転売制限や、森林法、環境アセス法の改善の必要性については、私たちも同様の認識をもっています。「2030戦略」では、次の二つの方向での解決を提案しています。

①環境を守る規制を強化し、乱開発をなくす――森林法などの現行法は、森林を伐採してメガソーラー発電所を作るなどの事態を想定していません。環境保全のための森林法改正、土砂崩れの危険性も評価事項に加えるなどアセスメントの改善が必要です。発電開始後も点検を行い、環境破壊や人体への悪影響がある場合には必要な是正措置をとらせます。
環境保全地区と建設可能地区を明確にしたゾーニング(区分)を、自治体が住民の参加・合意のもとで行うことも必要です。域外・外国の資本による乱開発を防止することは、利益の地域外への流出を防ぎ、地域のエネルギーであり資源である再生可能エネルギーを、地域の産業として開発し、地域の雇用や需要の創出につなげることにもなります。

②「新たな開発」ではなく、既存の施設・建築物・未利用地などの活用を推進する――工場の屋根に太陽光パネルを設置して、エネルギー転換とコスト削減を実現した企業も生まれています。欧州では、ほとんどの住宅や建築物に太陽光パネルが設置されている町も多くあります。固定価格買取制度の改善をはじめ、開発の必要がない再生可能エネルギー導入を推進することが必要です。

(3)再生可能エネルギーを普及するには、国民の理解と協力が不可欠であり大前提です。私たちの「2030戦略」では、再生可能エネルギーは地域のエネルギーであり、地域と住民の力に依拠した開発をすすめることも重視しています。これまでも各地の乱開発について、住民のみなさんと共同し、国会や地方議会でも取り上げてきました。
再生可能エネルギーは、密度は低いものの、日本中どの地域でも存在します。この特徴に即して、地域と住民の力に依拠して活用をすすめてこそ、大規模な普及が可能になります。そうすれば地域おこしにとっても貴重な資源となります。地域のエネルギーとして、地域が主体になって開発・運営し、その事業に資金を供給する取り組みを推進すべきです。

――自治体のイニシアチブも発揮して、住民の合意と協力、地域の力に依拠し、利益が地域に還元され、環境破壊を起こさない再生可能エネルギーの利用をはかります。
――住宅や小規模工場の屋根への太陽光パネルの設置、自治体主導や住民の共同による事業、屋根貸し太陽光発電事業などを推進します。そのために再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度を地域の多様な取り組みを促進するように改善します。

日本共産党

立憲民主党

政府は2020年の年末から、2050年カーボンニュートラル宣言実現に向け、再エネに関する開発事業に対する環境アセスメントの規模要件の緩和を検討するとして、多方面への影響が予想されるにもかかわらず、拙速な議論を進めてきました。これに対し立憲民主党は環境・原子力部会をはじめとする関係部会との合同会議で、政府や関係NGOからのヒアリングや協議を行ってきました。

立憲民主党は、エネルギーの使い方を見直し最大限の省エネに取り組むと同時に、再エネの導入・拡大を図ることを大前提とした上で、政府に対して、地域の自然環境や文化・景観に環境的・社会的負荷をかける発電は確実に回避し、地域住民から十分な理解を得られる再エネの導入の促進や、拙速な規模要件の緩和を進めないこと、立地条件などの要件の設定やゾーニング制度の導入の検討などを政府に申し入れました。

また、人類最大の課題である気候変動問題に対応するため、いまの社会経済を抜本的に見直すべく、国民が自ら考え、自分たちの将来に必要な選択を行う機会を創出するため、フランスやイギリスの事例にならい、国民からくじで選定された委員200人により組織する地球温暖化対策討議会を設置して、政策提案を行うことを含む修正案を提出しました。

立憲民主党は太陽光発電、風力発電を中心に、地域の合意と参加による環境調和の再生可能エネルギー発電事業を集中的に推進し、再⽣可能エネルギーの各業界の導⼊⽬標の達成をあと押しすることにより、再⽣可能エネルギーの電源構成に占める割合の、2030年50%、2050年100%の実現を目指します。

立憲民主党

NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(NHK党)