長崎県知事への公開質問状

宇久島を破壊する大開発は環境アセス対象外なのか?

長崎県知事様(地域環境課)

宇久島メガソーラー事業に関する「土地の形質の変更」について(質問及び要望)
表記の件につきまして現地確認調査の実施、並びに質問事項に対し文章をもって答えられたい。

現在、宇久島・寺島において「宇久島みらいエネルギー合同会社」による事業用地約720haの大規模太陽光発電事業が現に着工され、各所で工事が行われております。
当方は令和3年6月2日環境アセスに関する公文書開示請求を致しました。県と事業者との平成30年2月20日実施の協議等報告書などによれば、送電鉄塔用地2ha、変電設備用地6ha、交直交換所用地1ha、管理道路用地7ha、調整池又は沈砂池用地10ha、パネルの架台接地面積2haの計画において、およそ28haの「土地の形質の変更」(以下、改変)が計上されていることを確認いたしました。

また、令和2年10月16日付当方からの質問に対する県の回答によりますと、長崎県環境影響評価条例では、改変を伴う面積的な広がりを持つ事業で、面積が 30 ha以上の規模の場合、条例の対象事業となるため、現時点において当該事業は県条例の環境アセス対象外である。また、仮に改変面積が30haを超えた場合には、同条例に従い環境アセスの実施をするよう、事業者に対して指導を行うと認識しております。

ところが現状におきまして、以前協議報告された内容以外にも、実際に複数の場所におきまして当該事業に関する改変(資材置き場、事務所、作業員宿舎、堆肥舎、水路の改造、埋蔵文化財調査、希少植物の植え替え、送電線の一部埋設、しがら柵やフェンスのくい打ち など)が多数確認されます。また、事業者発行の広報誌「宇久島の未来へ」掲載の情報にもございます。

具体例として

〇資材置き場 長崎県佐世保市宇久町 太田江488 太田江550 本飯良490 小浜2490 小浜2085 小浜2029 各地周辺

〇事務所や作業員宿舎 佐世保市長崎県宇久町 平12 平632 小浜3096 小浜1686 各地周辺

〇堆肥舎 長崎県佐世保市宇久町太田江692-1他

〇島内55か所の発掘調査

〇太陽光パネル架台の杭周辺地盤(1柱あたり直径300㎜×H=1.5m)硬化改良工事

〇工事に伴う公道(法定外公共物を含む)の占有及び改造(整地)
など

質問1 これらの改変につきまして、長崎県(地域環境課、林政課、県北振興局)は現状を把握していますでしょうか?また、その場合は、報告書や調査記録等の根拠をお示しください。

質問2 平成30年2月の事業者と
県との協議や聞き取り以降、事業者から改変面積に関する計画内容の変更の申し出、及び協議などはありましたでしょうか?

要望1 事業用地の改変面積について、早急に現地(宇久島・寺島)に調査員を派遣し、目視による現場調査や事業者への聞き取り調査、佐世保市への照会など、事実確認を求めます。

要望2 確認調査の結果、改変にかかる面積が30haを超える規模の計画である場合、速やかに現在行っている工事を一旦中止し、県の条例に従い環境アセスを実施するよう、事業者に対して厳正な指導を求めます。

環境アセスは開発工事による周辺環境への甚大な影響がないことを、工事着工前に確認するための制度であると認識しています。すでに島内の計画地各所で工事は行われております。地域住民のため、厳正かつ早急なる対応を重ねてお願い申し上げます。

なお、質問及び要望につきましては、2週間以内に回答並びに対応につきましてお答え願います。また、質問や回答の内容につきましては、公開することをご承知ください。

以上

令和5年4月11日県地域環境課質問状要望書