三重県知事と津市長に署名手渡し「風力発電問題を真剣に考えて頂きたい」

津市環境部長に署名簿を手渡す住民代表

住友林業の三重風力発電所に反対する地域住民の会(会員数270名)は11日、三重県知事あてと津市長あての反対署名簿1,606筆を、それぞれ三重県新産業振興課長と津市環境部長に手渡しました。

同社は津市白山町において風力発電所を建設中でしたが、建設の事実を知った地元住民はこれに強く反対しており、建設中止を要求する署名を集め、今月1日に住友林業(株)社長宛の署名簿を同社資源環境事業本部長西川政伸氏に手渡しました。
この趣旨を地元自治体にも直接伝えるため、同署名を自治体にも手渡しました。

住民の福祉の増進に反する

風車建設工事に関して直接の権限のない三重県知事と津市長をあて先とした理由は、①住民が風車によって地方自治法の精神である「住民の福祉の増進」に反する事態に追い込まれたことを広く自治体に知ってもらうため、②何かの支援が可能ならばそれを乞うため、③そしてこの窮状を行政需要の一つととらえ、今後、地域の財産である自然や住民の暮らし・安全をどのような条例・体制・手段で守っていくのか、真剣に考えて頂きたいためです。

さらに津市は、青山高原保健休養地管理(株)の大株主でもあり、同社が保健休養地としての快適性を守るべき責務を履行させる立場にありながら同休養地の環境破壊を座視していることから反省を促したいのも理由の一つです。

工事後の説明会、近すぎる巨大風車

これまでの経緯は次のとおりです。

住友林業三重風力発電所は、津市白山町垣内南布引に出力7.49メガワット(2メガワット×4基)の風力発電所を計画し、2018年3月に再生可能エネルギー発電事業計画の認定を受けました。

そして2020年7月から工事が始まりましたが、最寄りのガーデンビレッジ住民には2018年に住友林業(株)から計画が説明されたものの、別の地区の青山高原保健休養地住民にこの計画が知らされたのは2021年8月でした。

標高500mほどの山に立つ高さ121m・風車の直径86mの風力発電機が景観を破壊することや風車の発する騒音・超低周波音により健康被害が起こることに加え、計画認定以後3年以上の間、風力発電所建設が秘密裏に進められたことに同休養地住民が強く抗議し、4基のうち1号機完成・2号機がタワーのみ完成の段階で2021年11月5日に工事が中断されました。

また風車は住居から500メートル離すと当初ガーデンビレッジ住民に約束しながら、それが守られなかったことから住友林業(株)は本年9月30日、4号機の建設を中止し、4基ではなく3基で運用する旨、明らかにしました。

反対の署名活動は2021年8月に始まり、現在も継続中です。

署名「住友林業三重風力発電所の工事中止を求めます」