石川和男
太陽光は最初のグラフにも最初の表にもありましたように、再生エネルギー5つの再生エネルギーの中で最もグーッと増えてきて、かつ2030年、さらにその向こうの2050年ではもっと入れていこうという、再エネの中の主役みたいなかたちになっているんです。
でも、きょうお二人の話を聞いていて、ものすごく問題点がある。
でね、実はこの問題点というのは、国会議員の多くの方々とか、あるいは経済産業省や環境省や、そういう行政当局の方々、あるいは自治体のそれぞれの当局の方々はみんなわかっているはずなんです。そういう資料いっぱい出回っていますから。ただあんまり一般に普及していないだけで。
でもね、そういう中でさえ、ああいう目標を掲げるんですよね。
野心的という言葉がありましたけど、それでも野心的な目標にいくということを世界的にコミットした。そういう中で、やっぱりこれに対して水をかけるのは簡単なんですよ。再エネなんかやめちまえというのは簡単なんですよけど、それじゃ何の解決もならない。
じゃあ、それをどうしようかっていうので、今日の提言なんですけど、野心的な提言をしてみたいと思いますんで、これです。
非難覚悟のあえての提言
大浜平太郎(司会)
太陽光パネル設置の義務化、法定買取期間を延長する。
石川
はい、これね恐らく、実は今パネルの設置の義務化については、一定の条件をつけながらということを前提として、東京都庁が音頭をとってやろうとしています。これから都議会でどういう議論になるか、これは私も注目なんですけれども。
あと買取期間の延長ですよね。これを私があえて出したのは、20年で止めていいんですかと。それを止めちゃうと誰もやらなくなるよと。
そういう中ででもカーボンニュートラルって2050年って長いじゃないですか、そうすると延長ぐらいしないと多分みんなやれなくなってゴミになっちゃう。
そういうこともよくないだろうと思って、あえてこの例として2つ出しましたけれども、このぐらい野心的なことをやらないと、やってもひょっとすると、あの目標はかなわないぐらいの難しい目標だと思わないですか。
竹内純子(NPO法人国際環境経済研究所理事)
いや難しい目標なんですけれども、手段としてこれをとるかっていうのは別で、特に法定買取期間の延長、もうとっくに投資回収を終わっているもの。これを買取期間を延ばすということよりはですね、ちゃんと再投資というか、要はパワーパワコンと言われるものとか、ヘタってしまったものを再投資してやる。
あるいは、セカンダリーマーケットと言って、転売されていく市場を活性化するとかですね、いろんなやり方で、その一度開発した野立太陽光は、もうしょうがない、使われ続けるようにするっていうようなこと。
これを法定買取期間を延長でやるのが、これでいいなとか言うと・・・。
石川
これは延長と書いたのは、何もあの高値を延長するという意味じゃなくて、ある程度の投資回収面で20年たってやめて取り替えた時に、それについても投資回収しなきゃいかんということでもって書いたつもりで。
まぁこの書き方だと何か高値で延長するのかって、そういうことではないんですけれども。
ほらこうやって出しただけで、もう直ぐに反発が来ますからね。
誰が費用負担するのか?
大浜
いや、すごく興味深いです。私も聞いていいですか。
設置義務化した場合に、お金は例えば自分家を持ってたら、そこに自分でお金を払ってつけなきゃいけないんですか?
石川
というやり方もあるし、これでまた我が家のことを言って恐縮ですけれども、ウチは屋根を貸しているんですよ。
私は家賃というのかな、その屋根貸し料が入るんですよ。
竹内
場所貸しですね。
私は自分でつけましたけど。
石川
こういう立派な人もいるんですけども、私みたいにものぐさの人間は全部プロに任せる。自分には責任がない。だから、楽と言えば楽。
竹内
撤去の費用は石川さんが持つわけでしょう?
石川
込みで10年です。
10年経ってそのまま付けておく場合は私に無償譲渡。
竹内
その無償譲渡されたやつを、もし屋根の葺き替えとかで撤去しようと思ったら・・・。
石川
自費です。自費でやらなきゃいけない。
だから、そういうことを考えると方法はいろいろあるんですけど。ほらね、出しただけでこれだけ意見が出るんですけどです。
原資は重い国民負担
大浜
山口さん、これ買い取り期間延長する場合、やっぱり前提条件かなり厳しくってことになりますよね。
山口雅之(全国再エネ問題連絡会共同代表)
そうですね。まあ、この設置義務化も含めてそうなんですが、いずれにおいても最終消費者の国民負担なんですね。
法定買取期間を延ばすということは、引き続き本来の電気料金にプラスアルファされた分を、私たちは負担し続けるということが前提だと思うんですね。
その辺の国民の的なコンセンサスが、やはり正確に得られる努力は、国の方ではしていただきたいなと思います。
石川
だから、結局こういうふうにあえて出しているのは、このぐらいキツいことをやっても、私は2030年目標、まして2050年のカーボンニュートラル、もうはっきり言って、ずっと先のことだと思ってましたけど。
私言いたいのは政治とか行政とかこの制度を提案して合意すれば、皆さん国会議員の先生の皆さん、あるいは政府の官僚の政策立案する方々、審議官の先生方に問いたいのは、このぐらいのことをやってもできないぐらいの高い目標を国会でも政府でも掲げたんですよってことを言いたいんですよ。
それをちゃんと言ってほしいってことなんです。私ばかり興奮してもしょうがないですけども。
大浜
石田さんのあえての政策提言というのは、やっぱりすごく意味があると思います。
これ皆さん、このボールをどんな風に受けたかってことですよね。
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