静岡県知事への公開質問状

許認可等だけで、工事着手していなくても適用外?!
なぜ事業者に忖度する盛土条例なのか?

2022年5月13日、「全国再エネ問題連絡会」と「熱海市盛り土流出事故被害者の会」は共同で静岡県知事へ以下の内容で公開質問状を提出しました。

「静岡県盛土等の規制に関する条例」について川勝知事に説明を求めます。

川勝知事は、熱海土石流の被害を二度と繰り返さないために日本一厳しい条例を作ると公言されていましたが、本年3月17日に制定された条例を詳しく見ると、その政治姿勢とは真逆な条例になっていると思料し、県民として、激しい憤りを覚えています。

具体的には、本条例の附則の経過措置第4項で「第4章の規定は適用しない」と規定しておりますが、これは事業者にとって極めて有利な規定と言わざるをえません。

本条例の担当部署である静岡県土地対策課の上原課長及び飯田局長に対し電話で、何故、附則の経過措置第4項を規定する必要があったのか、その根拠や理由を尋ねた結果、

条例の施行日までに「森林法第10条の2の林地開発行為の許可」を取得している事業に本条例を適用することは「遡及適用」になるため、附則の経過措置で規制対象外としている。

旨の回答でした。

しかし、本条例の規制対象行為は、「盛土等」を行う行為であり、森林法の林地開発許可等の許認可は、いわば盛土等を行う事前の「準備行為」にしか過ぎず、法律や条例の施行の際、現に工事に着手していなければ規制対象となることは関係法令の解釈等からも明らかです。

更に言えば、本条例が他法令(森林法第10条の2、第2項は4要件)を満たした場合、許可をしなければならない旨規定し、条例の許可条件を考慮しない規定内容となっているのです。

①熱海の土石流被害を二度と繰り返さないために、国は、本年4月に宅地造成等規制法の一部改正する法律を成立させる予定であり、全国に先駆けて制定した鳥取県盛土規制条例には、いずれも静岡県盛土等規制に関する条例附則経過措置4項と同じ内容の規定を置いていません。

②国土交通省や鳥取県の担当部署の責任者に質疑をした結果、
・法律や条例の施行日までに「工事着手」していなければ適用対象です。
・許認可等の取得は関係ありません。
・工事に着手していない以上、遡及問題は起こり得ないことは関係法令の解釈等により明らかです。
との確定的回答を得ております。

静岡県の「遡及適用になる」との説明は後記のとおり自己矛盾があり、到底、納得のできるものではありません。

附則の経過措置に関する質問の件については、■■■■宛、令和4年3月16日静岡県交通基盤部都市局土地対策課長「上原啓克」の文書には、

許認可等の手続きを終えているときは、適法に得られた法的地位を尊重するために規定したものであり、妥当なものと考えている。

等の内容からも、遡及適用の問題では無く、条例を運用する上で事業者に配慮したことを自ら認めている自己矛盾と言えます。

つまり、地方自治体には、原則として条例制定権と合わせて条例の解釈や運用権がありますから、その制定権により附則の経過措置で事業者に有利な配慮をしたものであることは、静岡県自ら認めている内容と言えます。

確かに、地方自治体には条例制定権や運用権があるわけですから、附則の経過措置に規定されたことは、熱海の悲劇を二度と繰り返さないために条例を制定するといった川勝知事の言動に反するものであり、妥当性に欠ける規定と言わざるをえません。

川勝知事や静岡県は、本条例が、真に「県民の命や生活を守るため」に作ったものか、それとも「事業者の利益を守るため」に盛土条例を作ったのか、と疑念は深まるばかりです。

その疑念を解消するためにも、次の4質問(質問1から質問4まで)について、川勝知事自ら回答してくださいますようお願い致します。

それでは、川勝知事に質問です。

質問1

静岡県土地対策課の■■■■や■■■■が説明するとおり、条例が施行時までに林地開発許可等を取得している事業に条例(第4章)を適用することは「遡及適用」になるとの考えでしょうか。

遡及適用になるとの考えなら、国の所管庁である「国土交通省」の担当責任者の見解とも異なるので、その法的根拠や理由を詳しく回答してください。

 

質問2

本年3月17日に条例制定後、川勝知事はマスコミに対して、本条例はリニアに適用すると公言されましたが、附則の経過措置では条例(第4章)は適用しないと規定しているのに、それを無視して適用するのですか。

適用するなら、具体的に何条を適用するのですか。
適用する法的根拠と理由を詳しく回答してください。

質問3

リニアに適用して函南町軽井沢地区で問題となっているメガソーラー事業には適用するのですか、適用しないのですか。
いずれにおいても詳しく回答してください。

質問4

静岡県盛土等の規制に関する条例
第 2 条「定義」(2)~(4)土砂等の定義に(3)「改良土」、(4)「再生土」が含まれています。

これは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」に規定されている産業廃棄物に該当しますから、この条例は産業廃棄物を盛土材として認める条例と言う事になると思われますが、それに間違いありませんか。

熱海の土石流で被害にあわれた被害者、被災者が望むのは、産廃不法投棄の是正、産廃を含む盛り土の根絶です。
しかし、条文からは産業廃棄物を盛り土材として容認する内容となっており希望とかけ離れた条例となっているかと思います。

川勝知事は、どの様にお考えでしょうか。
また、産業廃棄物を扱う法律と矛盾が無いのかも含め詳しく回答してください。

県民が、本条例に疑念を抱いているのは事実ですから、川勝知事は政治家として説明責任を果たして頂きたいと思います。

この様な附則の経過措置などは、県民として容認できません。
知事名での文書回答を求めます。

ご多用の中、恐縮ですが、公開質問状を受けとった後、1ヶ月以内に文書回答により詳しく回答を頂けますよう、宜しくお願い致します。

20220513公開質問状

静岡県盛り土改正案の問題点

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