宇久島の生活を守る会「公開質問状」

公開質問状
宇久島みらいエネルギー合同会社
代表取締役 城野 正明 様

 私たちは「宇久島の生活を守る会」と申します。未来に渡り宇久島の住民が安心して充実した生活を送ることが出来るよう活動している、島在住の住民によって組織された任意団体です。初めに、再生可能エネルギー事業に対して、真っ向から反対する団体ではないことをお伝えしておきます。地球温暖化対策の観点からも、再エネ導入の必要性が不可欠であることは十分認識しております。しかし、それらを確実に行うためには、地域住民との十分な合意形成、及び環境保全を着実に実行しながら進めていくことが、最も重要であると考えています。
私たちは現在、貴社が行っているメガソーラー発電事業のこれまでの経緯に強い憤りを感じており、また、島内外の住民からも多数の不安の声、不満の声が鬱積していると認識しています。この発電事業は2013年頃の発足から今日まで、事業の成り行きが不透明であり、現在も未稼働の状態です。当初推進していた地権者ですら、徐々に計画に対して懐疑的になっており、中には土地の契約解除を検討されている方もいるようです。もうこれ以上、闇雲に時間だけが経過することは、貴社にとっても住民にとっても得策ではありませんし、時間が解決する問題でもありません。これらの問題を早期解決することこそがお互いの望むことであり、住民が二分して争うことを避けるためにも、このように公開質問状を提出するに至りました。ご多忙のところ恐縮ですが、宇久島の将来に関わる重要な問題ですので、誠実にお答え頂きますようお願い申し上げます。
回答につきましては、A4書面もしくは ■■■■■■ 宛てにEメールで送信してください。令和3年8月20日(金)までにご回答をお願いします。
期日までに遅延の連絡や回答が無い場合は、回答の意思がない=合意形成を図る意思がないと判断させていただきます。なおこの質問状、及び回答、回答されたものに対する追加質問や要望等全ての内容は、原則全文、場合によっては要約し、随時、地元住民、弁護士、専門家、メディア、関係機関、インターネット等に、しかるべき方法によって公開いたしますことをご承知ください。

令和3年7月29日
宇久島の生活を守る会
会長 佐々木 浄榮
長崎県佐世保市宇久町平3057
℡0959-57-2096

貴社が行っているメガソーラー発電事業についての質問と要望

質問1,今後、島民全体に対する開かれた説明会は行わないのですか?また、事業に係る協議会等の設置は検討されないのですか?

現在、アウトライン測量を行っていると見聞きしています。着工前までに協議会設置や全住民に対し十分な説明や協議を行う義務や条件(住民との合意形成を図る責務)が貴社にはあります。国の許認可条件、資源エネルギー庁発令の事業計画策定ガイドライン、林地開発許可、農振地域除外、農地転用許可、佐世保市と貴社の協力確認書(2018.2.21調印)等、重要事項、必須条件として随所に明記されています。コロナ禍を理由に住民説明会等の開催を自粛されていますが、密を避けて開催するなどの工夫、ホームページに計画や内容の詳細を掲載し意見を聴取する、オンラインでの開催、掲示板や意見箱を設置する等、やり方はいくらでもあると提言してきましたが、なぜこれらを行わないのですか?例えば、作業員宿舎建設の件など、最後に行われた説明会から大幅に計画や内容が変更されている点が多々存在するにも関わらず、新聞等で知る以外、一切説明がありません。一部の利害関係者の間だけで、その都度説明や協議を行い、一方的に嘆願書を作成する等、合意形成を図るどころか民主主義に反していて、住民の知る権利、発言や主張の機会を奪う行為と言わざるを得ません。

要望2,九州電力に提出されました「系統連系工事着工申込書」並びに、経産省に提出されました「みなし認定事業計画書」の内容を開示してください。

2018年12月5日に経済産業省より公表されました「事業用太陽光発電の未稼働案件による国民負担の抑制に向けた新たな対応」により、2020年2月28日までに系統連系工事着工申込書を提出されたと認識しています。しかしながら、本土に売電するための最重要項目「県北漁協組合の海底ケーブル設置の許認可」が未だなされていません。そのような状況において、どのような工事計画の申込みをなされたのか甚だ疑問であります。経産省は本格的に着手する見込みのある事業には認可取得時点での高額な売電価格で据え置きされた、未稼働案件に対する運開の猶予を事業者に与えていますが、それが確認できるのは公的手続き=系統連系工事着工申込書の受理(九州産業保安監督部)が不可欠であり、今後も長期に渡り運転開始の見込みのない事業に対しては、認定失効等の厳しい対処の可能性も考えられます。現在も事業を継続している様子から、貴社の提出した「系統連系工事着工申込書」及び「みなし認定事業計画書」を確認いたしたく、内容の開示を要求いたします。

質問3,令和元年8月29日付で許認可を受けている、メガソーラー発電事業用地の県の林地開発許可申請にあたり、しがら柵、フェンス、改修及び新設する畦や側溝、水路、作業員宿舎、仮設の事務所や詰所、駐車場、資材ヤード、電柱、防災対策設備、防災工事等、それらの面積が申告されていないのはなぜですか?

長崎県の条例で林地開発を行う場合「土地の形質の改変を伴う面積約な広がりを持つ事業」について、総面積が30haを超える場合、環境影響評価法(環境アセス)による審査の対象となり専門家などによって綿密に審議されます。貴社の林地開発計画では、パネルの支柱断面積の合計2ha(実際のパネルの総面積は200ha)、鉄塔用地1.6ha、変電設備用地5.2ha、交直変換所0.8ha、運搬用道路6.7ha、調整池9.2ha、合計25.5haと申請しておられ、県の判断としては基準値の30haに満たないため、規模的に環境に対する影響が軽微な林地開発工事として、環境アセスの必要が無いことになっています。しかし、貴社の林地開発許可申請には上記の建築物や工作物等を含んでいないことが情報公開請求によって明らかになりました。これまでに計画の変更があったのであれば、そのことを遅延なく県知事に届け出る義務があります。また、希少植物の保全に伴う移植、予期せぬ事態など、諸々の要因によって開発過程で土地の改変を伴う面積が30haを超えた場合、遡及して環境アセスの対象になることも確認しております。

質問4,これまで当会を含む行政や各機関からの意見や要望、説明会等において貴社が「今後、住民の皆さんや関係機関等と協議いたします」等と回答された全事項について、これまでに実際に行った協議のA開催事実、B経緯や内容、C結果や約束を箇条書きで要点のみ全てお答えください。

質問5,貴社が考える、宇久島メガソーラー発電事業計画によって生ずる、島民や島のAメリットとBデメリットを箇条書きで要点のみ全てお答えください。

貴社はこれまで、各方面に対し、「過疎地宇久島の振興のため事業を行います!」ということを明言し、事業について説明の度にそれを大義名分として推進してこられました。しかし、今日まで私たちには実際にどのようなメリットがあるのか?看過できないようなデメリットはないのか?具体的に全く見えません。これまでの経緯からはむしろ「利用価値のない土地を活用し、投資目的のために事業を行います!」と言っているようにしか見受けられず、発電設備完成の暁には、貴社は1000人の作業員と共に島外へ去り、あとに残された住民、島が、将来的に背負って行かなければならない不安や負担の方がはるかに甚大であると感じています。

質問6,貴社は今後とも宇久島メガソーラー発電事業計画に対し、事業が完全に終了するまで、絶対の安全性、従来の環境の保全を保証いたしますか?また、現時点で計画の見直しや事業規模の縮小等を検討なされていますか?

今年7月に発生した熱海の土砂災害によって、全国的にこれまでの開発許可等に係る認可制度の脆弱性、山林の乱開発の危険性が全国的に再認識され、大臣や専門家もこれらの問題に言及し、命に係わる問題として早急に対処すべく、全国的な一斉調査や対策を命じています。現行法や審査基準等は、今回の件を例に挙げますと、盛り土を行った業者は既に廃業している、地権者は「知らなかった」、崩落現場脇のメガソーラー発電事業者は「当社に因果関係はない」、行政は「指導はしてきた」、専門家は「開発許可基準が甘かった」など、災害が起きないような開発の審査や許認可の仕組みになっていない、発生した事故に対する責任の所在が曖昧であること、などがはっきりと判りました。

質問7、地権者の申し出によって期間の終了を待たずとも契約を破棄し、地目の変更などがあれば元通りにすることは可能ですか?また、そうするにはどのような手続きが必要ですか?

初めに申し上げたように、地権者の中にも計画に懐疑的になられている方がおられます。ところが、自らの意思で契約し、わずかながら金銭を受け取った以上、今さらこちらの都合で契約破棄はできないと思っている方が多くいるようです。ある地権者の方の契約書を見せて頂きましたが、契約内容からは可能性が無いわけではないと認識いたしました。

以上

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